霊の力は生命の力


人のために役立とうと心掛ける人に私はいつも申し上げてきたことですが、見通しがどんなに暗くても、いつかは必ず道は開けるものです。霊の力は生命の力そのものだからです。生命は霊なしには存在しません。
生命──その本質、活力、潜在力、こうしたものは全て〝霊〟であるからこそ存在するのであり、程度の差こそあれ、本質において全存在の創造主と同じものなのです。

これは、全てが夢幻に過ぎない物質界に生きているあなた方にとっては理解の困難なことです。しかし、だからこそ、実在が見えざる世界にあること、おぼろげに見ている世界を実在と錯覚しないようにと警告することが私の任務であるわけです。

曇りのない視覚を持って実在が認識できるようになるのは、物質界から撤退して内的世界つまり霊界へ来た時です。私は地上の思想上の名称にはこだわりません。
団体や組織にも頓着致しません。霊力の顕現の道具であってくれればよいのです。受け入れてくれる備えのある人であればどんな人でも導き、教え、私なりの体験から得た叡知を僅かでもお授けするのが私の仕事なのです。

もう一つの側面として、こうして同志の協力のもとに、その霊的真理をより分かりやすい形で披露し、それによって一人でも多くの人が調和のとれた地上生活を送ることが出来るようにしてあげることです。

私にとって大事なのは〝道具〟です。霊が地上に働きかけるには人間という道具が必要です。そこで、確実に霊波を受け止めてくれる霊能者を一人でも多く見出さねばならないというのが、いつもながら私どもにとって難題であるわけです。霊力は無限です。 

然るに霊能者の数には限りがあります。霊力は無尽蔵ですから、霊媒はいくらいても多すぎることはありません。しかし〝師は弟子に応じて法を説く〟と言われるように、霊力も霊媒の受容力に応じたものしか授けられません。能力以上のものは受けられないのです。

進化の法則は民族全体、国民全体、人類全体の単位で働いているように、個人単位でも働いております。となると当然あなたは、満ちては引き、引いては満ちながら進化していく霊力の流れによる様々な影響を受けるわけですが、問題はその霊力の流れそのものと、霊力が顕現される〝場〟──民族、国家等の組織の集合体をはじめ、その働きの場である建物とを混同しないことです。

人間はとかく自分の関わった組織や団体にのみに霊力が顕現されているかに錯覚しがちですが、霊力というものは何ものによっても独占されるものではありません。人間側から勝手に操ることもできません。
個人としてあなた方にできることは、その霊力の流れる一個の場として出来るだけ純粋であるよう心がけ、できるだけ多くの霊力が顕現されるようにする── つまり人のために役立つようになることです。

ついでに申せば、現代の地上には無数の
〝通路〟を通してかつてなかったほどの霊力が注がれております。その通路は霊媒にかぎりません。それとは気づかぬままに通路となっている人も大勢います。また同じ霊力が他の分野においても活用されております。

神の計画が変わることはありません。あなた方が自らを変えてその計画に合わせなくてはなりません。神の霊力の流れに調和し、日々の生活をその流れに乗って送れば、あなた方の地上での存在意義が完うされます。 

霊力は地上的基準に従って働くのではありません。人間の勝手な打算的欲望で働きを早めたり自分の方へ引き寄せたりはできません。〝風は思いのままに吹く。いずこより来たりいずこへ行くか汝らは知らず〟(ヨハネ3-8)

星は寸分の狂いもなくその軌道上を回り、潮は間違いなく満ち引きを繰り返し、四季は一つ一つ巡りては去り、それぞれに荘厳にして途方もなく雄大かつ崇高なる宇宙の機構の中での役割を果たしております。今あなたがそれを変えようとしても変えられるものではありません。が、その大自然の営みの原動力である霊力と同じものを自分を通して働かせ、そうすることであなた自身もその営みに参加することができるのです。

神からの遺産を受け継いだ霊的存在として、あなたも神の一部なのです。神はあなた方一人ひとりであると同時にあなた方一人ひとりが神なのです。ただ規模が小さく、胚芽的存在にすぎず、言ってみれば神のミニチュアです。

あなた方は神の縮図であり、その拡大が神というわけです。霊性の高揚と成長と進化を通じて無限の神性を少しずつ発揮していくことによって、一歩一歩、無限なる神に近づいて行くのです。

徐々にではありますが、光が闇を照らすように知識が無知の闇を明るく照らしていきます。生長、変化、進化、進歩、開発、発展 ──これが宇宙の大原則です。一口に進化と言っても、そこには必ず潮の干満にも似た動きがあることを知ってください。

循環(サークル)運動、周期(サイクル)運動、螺旋(スパイラル)運動 ─── こうした運動の中で進化が営まれており、表面は単調のようで内面は実に複雑です。その波間に生きるあなた方も、寄せては返す波に乗って進歩と退歩を繰り返します。
物的繁栄の中にあっては霊的真理を無視し、苦難の中にあっては霊的真理を渇望します。それは人生全体を織りなすタテ糸とヨコ糸であるわけです。

もしも現在の自分に満足し始めたら、それは退歩しはじめたことを意味します。今の自分に飽き足らず常に新しい視野を求めている時、その時こそ進歩しているのです。あなた方の世界には〝自然は真空を嫌う〟という言葉があります。じっとしている時がないのです。前進するか、さもなくば後退するかです。

シルバーバーチ





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