背後霊の仕事


ある日の交霊会で、霊媒の背後霊の中にはわれわれ人間でも知っているようなことを知らない霊がいるのはなぜか、と言う質問が出された。これに対してシルバーバーチはこう答えた。

「背後霊にもいろんな種類があります。目的がいろいろとあるからですが、その霊がすべて同じレベルにあるわけではありません。交霊会において各々に割り当てられる仕事は成長と発達の度合いによって異なります。

宇宙の機構について詳しい霊がいても、あくまでその時点までのその霊の経験の結果としての知識を述べるのであって、まるで知らないことについては答えられません。
知らないことは何一つないような霊は決していません。

たとえば物理実験会で門番のような役をしている霊は高等な思想上の問題はよく知りませんし、高等な思想・哲学を説くことを使命としている霊は物質化現象をどうやって起こすかといったことは、まるで知りません。
霊をぜんぶ同一水準に置いて考えることは禁物です。」


🕊
───どんな霊が背後霊となるのでしょうか

「血縁関係のある霊もいれば、地上的な縁故関係はまったくなくて、果たさんとする目的において志を同じくする者、言ってみれば霊的親近感によって結ばれる場合もあります。

そこには民族や国家の違いはありません。地上を去り、地上的習性が消えていくと、民族性や国民性も消えていきます。魂には民族も国家もありません。あるのは肉体上の差異だけです」


🕊
───背後霊として選ばれる基準は何でしょうか

「地上世界の為に為すべき仕事があることを自覚して、みずから買って出る霊もいますし、ある霊的な発達段階まで来ている霊が、人類啓発の使命を帯びた霊団から誘いをかけられる場合もあります。

私はその誘いを受けた一人です。自分から買って出たのではありません。が、やってみる気はないかと言われた時、私はすぐに引き受けました。
正直言ってその仕事の前途は、克服しなければならない困難によって〝お先まっ暗〟の状態でした。しかし、その困難は大体において克服され、まだ残されている困難も、取り除かれたものに比べれば、きわめて小さいものばかりです。」


🕊
───誘われた場合は別として、自分から申し出た場合、その適性をテストする試験官のような人がいて合否を決めるのでしょうか。

「ズバリそうだとは言えませんが、それに似たことは行われます。こちらの世界は実にうまく組織された世界です。人間には想像できないほど高度に組織化されております。それでいて、その仕事を運用するには、こうした小さな組織が必要なのです。

私たちの霊団の中にはあなた方も名前をよくご存知の方が何人かいます。
ところが、どういうわけか、揃って遠慮がちな性格の人ばかりで、私が出なさいとけしかけても、何時も〝あなたからお先に〟と言って後ろへ引っ込むのです。

さて、たとえばあなたが自分の霊団を組織したいと思われても、霊の方があなたの仕事に共鳴して集まってくれなくてはだめですし、また呼び寄せるだけの霊力を発揮できる段階まであなたが進化していなくてはなりません。
こちらの世界ではその人の人間性が全てを決します。絶対的実在は霊なのです。
それには仮面も変装も口実もごまかしもききません。何一つ隠せないのです。全てが知れてしまうのです」


🕊
───その人の適性が霊性にはっきり出ているということでしょうか。

「そのとおりです。なぜかと言えば、その人のオーラ、色彩、光輝がその人の本性を示しているからです。教える資格もない者が先生ヅラをしてもすぐにバレます。
その人には教えられないことが明らかなのですから。

ですから、あなたが人類のための仕事に志を抱く霊を呼び寄せようとしても、あなたご自身が霊的成長によって霊を引きつける力を具えていなければ、それは叶えられないということです。お判りになりますか。」


🕊
───私が知りたいのは、そういった十分に成長していない霊が霊団の一員として働かせてもらえないのは、どういう経緯でそうなるのかということです。

「働けないから、というに過ぎません。資格のない者にはやりたくても出来ないのが道理でしょう。その霊には霊力もエネルギーも放射線も人間も引き寄せることは出来ません。それを手にするに値するだけの鍛錬がまだ足らないということです。霊媒をコントロールするには人間側の協力も必要なのです。
実に入り組んだ過程を経なければなりません。
うまく行っている時は簡単そうに見えますが、うまく行かなくなった時に、その一見単純そうな過程のウラ側の複雑な組織がちょっぴり分かります」


🕊
───質問者はさらに突っ込んで、通信霊が他人の名を騙ることがある事実を上げて、なぜそれが霊団の方で阻止できなかったのか、本物かどうかを見分ける方法はないかと尋ねた。すると───

「実によりて木を知るべしと言います。もし仮にこの家のドアを開けっ放しにして門番も置かなかったらどうなります?誰彼なしに入り込んできて好き勝手な文句を言うことでしょう。
そこで時刻を決めてドアを開け、門番を置いて一人一人チェックすることにしたらどうなります?まったく話は違ってくるでしょう」
 

🕊
───おっしゃる通りです。ということはレギラーメンバーで定期的に開くのが安全ということでしょうか。

「そうです。むろんです。ぜひそうあらねばなりませんし、それに、身元のはっきりした専属の支配霊がいて、その霊の存在を確認しない限り通信は許さないということにすることです。私どもの世界も至って人間的な世界です。
最低から最高までのありとあらゆる程度の人間がいて、その中にはしきりに地上に戻りたがっている者が大勢います。

その全てが指導する資格を持っているわけではなく、教える立場にあるわけでもなく、聖人君子でもありません。至って人間くさい者がいて、人間界への働きかけの動機にも霊的なところがない場合があります」


🕊
───きちんとした組織をもった交霊会では通信霊のチェックが行われるのでしょうか。他人の名を騙ってしゃべることは不可能でしょうか。

「きちんとした交霊会では不可能です。この交霊会は始まってずいぶん長くなりますが、その間ただの一度もそういうことは起きておりません」

シルバーバーチ




0コメント

  • 1000 / 1000